5.自分自身になる

よく、自分自身でいること自分自身を良く知ることが成功の秘訣であると言われます。

 

日常生活では私たちの注意はいつも外側に向けられています。目覚めてから夜眠るまで私たちは絶えず何かを考え、何かを体験していて自分自身だけになることがありません。

 

何かを体験しているときはいつでも自分以外のものを認識しているので、自分自身を認識することがありません。

  

●自分自身を認識する方法

私たちの注意を外側でなく内側に向け、「何も知覚していない、何も行動していない、何も考えていない、ただ自分自身だけがある状態」=純粋な「存在」、この状態を体験することが、自分自身になる、自分自身でいることです。

 

何も見ない、行動しないというのは簡単にできます。ただ座って目を閉じればいいからです。しかし何も考えないことはどうでしょうか?無念無想の状態になろうとしてもそれがいかに難しいかわかります。

 

たくさんの考えが次から次へとやってきます。考えていないつもりでも、「暑いな」、「何か音が聞こえるな」と自然に何かを考えています。考えることをやめようと努力をすると瞑想は間違った方向へ行ってしまいます。

 

●自然なテクニック超越瞑想

超越瞑想は古代から伝えられた瞑想のテクニックですが、そのプロセスは自然なものです。正しい指導を受けて、正しいテクニックを学べば、考えないように努力しなくても心は自然にその状態へと至ります。心にとってそれは家に帰るようなものです。

 

超越瞑想は、簡単で努力がいらず、とても心地よいものです。簡単で努力をしないことが純粋な「存在」を体験し、自分自身になるための唯一の方法です。一般的には心を集中したり、コントロールすることが瞑想であると思われていますが、真の瞑想は心の集中やコントロールを必要としません。

 

たいていの瞑想は努力を必要とします。しかし、すこしでも努力をすると心は活動的になってしまい、想念の最もかすかな状態を超越した純粋な「存在」を体験できなくなります。

  

●超越の体験を繰り返す

超越瞑想を何度も行い、自分自身になる体験を繰り返すことで、心はその体験に親しんでいきます。そして最終的には瞑想中だけでなく、活動しているときにもその体験が失われなくなります。つまりどのような状況にあっても自分自身を失うことがなくなります。

 

自分自身を生きている人は、深く根をはった木に似ています。どんなに強い風が吹いてもその木は揺らぐことはありません。それは人生のあらゆる分野で成功を得るための基盤となります。

 

自分自身を生きている人は、困難に直面しても冷静で解決策を素早く見つけることができます。自信に満ちており、人間関係は良好で、人生のすべての面が良くなっていきます。また、周りにいる人もますます肯定的になっていきます。

  

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人格の成長 

発見:TMグループは、開始前と開始後二カ月目にテストを受けました。TMをしていない対照群と比較すると、TMグループは、次のような変化が見られました。内面指向性、時間に関する充実感、自己実現、自発性、自分に何が必要かよくわかる、自己受容、温かい人間関係などです。

 

ここで使用したテストは、Personal Orientation Inventory。POIを使用した他の二つのテストでも、これと同様の結果が得られています。 

 

POIはマズローが定義した自己実現の度合いを測定するためにショストロームが開発しました。マズローの自己実現の定義は次のようなものです。

 

成熟の度合いが高い、健康、満足、欠陥にとらわれない、現実を明確に理解している、隠し立てのない、統合力が優れている、包括的に物事を捉える、バランスの取れた人格、自然さ、豊かな表現力、生き生きしている、本来の自分の認識、自己の客観視、公明正大、自己の超越、具体性と抽象性を融合する能力、愛。しっかりとしたアイデンティティ、自律心が高い。

 

参考文献:

1. Journal of Counseling Psycology 20, no.6 (U.S.A.:1973) : 565-566

2. Journal of Counseling Psycology 19, no.3 (U.S.A.:1972) : 184-187

3. Perceptual and Motor Skills 39 (U.S.A.:1974) : 623-628

 

 

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