4.脳の開発

●脳の機能

脳は現実世界との間の橋渡しをする接点です。人は世界を知覚し、脳の機能に基づいて世界に対して反応します。脳は外界での経験を意識が理解できる形に変換し、意識のインパルスを周囲の世界に反応できるように変換しています。

 

すべての行動は脳に影響を与え、脳を物質的に変化させます。ストレスや疲労などは脳の適応能力を低下させてしまうので、外界の経験を処理して反応する能力はハンデを負わされることになります。ストレスに起因する制約を受けずに機能できる健康な脳を持つことがとりわけ重要です。

 

●健康な脳とストレス

健康な脳の最も重要な特徴はおそらく適応能力でしょう。なぜなら、この世界は絶え間なく変化しており、脳は私たちを取り巻く環境の一瞬一瞬の要求に応じて変化しなければならないからです。

 

私たちがストレスや疲労、その他のネガティブな要因による制約を受けていると、脳の適応能力が落ちてしまうので、外界の出来事を処理して対処しようとするときに不利になってしまうのです。

 

人がストレスを受けているとき、前頭前皮質(意思決定と実行機能に関与する脳の部分)が活動に関与する度合いが小さくなっています。脳のその部分が「オフライン」になっているようなものです。

 

 ●超越瞑想中の脳

超越瞑想はそれとは正反対の影響を脳に与えます。神経画像技術を用いた研究を見ると、目を閉じて座って休息しているだけの状態と比較して、TM(超越瞑想)の実践中には脳の前頭野の活動が増大していることが分かります。

 

また、前頭野の活動が増大するだけでなく、脳の後部(頭頂野)の活動も増大しています。脳のこの2つの部分は、注意回路(attentional circuit)の一部を構成しています。

 

TMを実践することで、意思決定および実行機能を司っている脳の注意回路(attentional circuit)が強化されるので、私たちが包括的な理解力を必要としているときに、たとえストレスを受けている状況であっても、物事を包括的に把握できるようになります。

 

経験を繰り返すことで脳は変化するので、私たちは超越瞑想を行うたびに、自分の脳の注意回路(attentional circuit)を強化しているのです。もし私たちが肩の筋肉を増強したいのであれば、肩の筋肉を鍛える特別な運動を行います。そして鍛えられた筋肉を使って、食料品店で買い込んだものを家に運んだりするでしょう。

 

それと同じように、TMによって注意回路が強化されるので、私たちが包括的な理解力を必要としているときに、たとえストレスを受けている状況であっても、物事を包括的に把握できるようになります。なぜなら、前頭野にある注意回路が以前よりも強くなっているからです。

 

また、超越瞑想中の超越-「安らぎに満ちた機敏さ」という独特の体験は、脳の中核部である視床を休息させます。視床は配電盤のようなもので、すべての知覚情報はいったん視床に入り、そこから脳に向かいます。超越瞑想を行うと、知覚経験の配電盤である「視床」はより休まった状態になります。(フレッド・トラヴィス博士の記事より抜粋)

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安らぎの機敏さの増大図.jpg

 

 

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