6.内面の幸福
●心は無限の幸福を求める
心はいつでも幸福、喜び、満足を求めています。しかし日常で得られるどのような体験も心を完全に満たすことはできません。なぜなら心が本当に求めているのは、限られた幸福ではなく、無限の幸福であるからです。
それは外側の世界には見つかりません。それは私たちの内側にあるものです。心のもっとも深いところには無限の幸福の領域があります。そこが超越の領域です。
超越瞑想(TM)をして心を内側へ向けることで心は自動的により大きな幸福に惹かれていきます。超越へと向かって進んでいくのです。超越瞑想はより大きな幸福を求める心の自然な傾向を利用しています。そのため全く努力が入らず効果的なのです。
幸福ホルモンの増加と血中コルチゾールの低下
生理状態を客観的に測定してみると、心が超越するときには、からだにも生理的変化が起こっていることがわかります。
例えば、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンが大幅に増し(1)、ストレスホルモンのコルチゾールや血漿中の乳酸塩が減少します(2,3)。
参考文献 1.Adrenocortical activity during meditation. Hormones and Behavior 10(1): 54-60, 1978 Reduction in Biochemical Index of Stress: Decreased Plasma Cortisol Levels.
2.Serotonin,noadrenaline, dopamine metabolites in Transcendental Meditation technique. Journal of Neural Transmission 39: 257-267,1976
3.Psychosomatic Medicine 35: 341-349, 1973
●超越によって心とからだに何が起こるか
超越を何度も繰り返すとストレスホルモンの減少と幸福ホルモンの増加が定着し、瞑想していないときにもそれが続くようになります。
TMを長期にわたって実践している人たちは目を見張るような心身の改善が見られますが、こうしたホルモンの変化が理由の一つと考えられます。
私たちが攻撃を受けたときにはがストレスホルモンが働いて即座に「戦うか、逃げるか」を判断します。しかし、ストレスホルモンが慢性的に多いと神経系が損なわれ、最終的には病気になってしまいます。
例えば、ストレスは免疫系に有害な影響を与えることがわかりました。米国科学アカデミー紀要に掲載されたある研究は、ストレスが風邪を悪化させる可能性があることを示しています。
ストレスにさらされているとき、身体はコルチゾール(ストレスの主要指標になっているホルモン)をより多く生成するため、それが身体の炎症過程に悪影響を与えるのかもしれない、と研究者は説明しています。
一方セロトニンは多くの脳機能を制御しています。脳の中のセロトニンの減少はストレスが大きく影響していることがわかっています。そしてこのセロトニンの減少は、うつ、不安、怒り、睡眠障害、依存症など様々な問題と関係しています。
セロトニンの濃度を高める薬は、一時的に病気の症状を緩和しますが、問題の真の解決にはなりません。なにより超越瞑想には有害な副作用がないことが知られています。
●からだの正常な機能
私たちの神経系の正常な機能が健康と幸福をもたらします。私たちの体はもともと健康で幸福に生きるように設計されているのです。こうした神経系の正常な機能を妨げているのがストレスです。そして神経系の正常な機能を回復させるのが超越です。
超越とは内面の深い静寂と幸福です。これは幸福ホルモンやストレスホルモンに影響を与え、からだの治癒力を高めて蓄積したストレスを取り除きます。そのため体は正常に機能するようになるのです。